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2015/06/04

文具を活用して自分の可能性を掘り出す本にまた一冊定番が誕生『1年後の毎日が変わる!あなたの夢をかなえる「100年日記」』 #bungu #techo

 文房具を活用して、自らの内面を見直したり発想を整理したり、問題を発見してその解決に役立てる。そういう本は世の中にいろいろあります。
 ジャンルの名前こそ決まっていないものの、これからも登場し続けるでしょう。
 かつてはその代表が『知的生産の技術』(梅棹忠夫 岩波新書)であり、しばらく前なら『情報は一冊のノートにまとめなさい』(奥野宣之 ダイヤモンド社)だったわけです。
 このジャンルには共通する要素があります。それは、
 利用する[文具][使い方][目的] の3つです。
 たとえば『知的~』では、[文具]情報カード(京大カード)です。これを1枚1項目で[利用]し、情報整理という[目的]がかなうわけです。

 『~「100年日記」』もこの3つの要素から出来ています。タイトルに100年日記とありますが、100年書き続けるわけではありません(可能ならばそれはそれですばらしいことですが)。本書が伝えているのは、コボリさんのBlog「名言コツコツ」でも人気のコンテンツ、自分磨きノートの作り方です。
 まず[文具]は、ルーズリーフのノートまたは表計算のワークシート。ルーズリーフは100円ショップでも購入できますし、ワークシートは、Googleスプレッドシートを使えば無料です。コボリさんによれば検索性の点で表計算のワークシートがオススメだそうです。
 100年日記の特徴は「マンスリーシート」「ライフシート」というフォーマットです。記入する項目は、マンスリーシートなら1日ごとの目標。ライフシートなら、毎年の一月ごとの目標です。そしてたとえばマンスリーシートなら、その月の最重要事項として「メインイベント」を書き、集中して取り組むこととして「フォーカス」という項目を書きます。そしてその月に達成できたことを月の終わりに書くのです。これが[使い方]です。厳密にはこれ以外にも色々あるのですがそれは本書で確かめてみてください。
 このようにそれぞれのシートに基本事項や、追加して書きたい事項を書いていき、振り返りながら、現在に集中していく。これが本書が掲げている[目的]です。

 この本にはまた、書き続けるための工夫もきちんと触れられています。たとえば、その日にやったことがアイデア出しだったら、「アイデア」のような漠然とした名詞でなく、動詞を含む文章として書くことが推奨されています。「○○の企画アイデアを20個考えた」というように具体的に書くことで、やったことが明確になります。
 それはまた、未来の自分が読んでわかるようにということでもあります。
 記録であると同時に、未来から見てそのとき何をやっていたかを振り返ることを常に意識する。これがこの方法のポイントというわけです。
 この方法の胆は、日々の生活から反省とその結果としての行動の変化を生み出し、自らがのぞむ自らの理想に近づいていくことです。
 いわゆるライフログよりもより主観的、恣意的な方法と言えるかもしれません。
 ともあれ、単に記録に終始するのではなく、それを自らの理想像に近づくための手段としているところにこの本の面白さがあります。

 「過去、現在、未来を同時に俯瞰しながら「今日」に集中するためのツール」
                             (同書本文より)

 それが100年日記です。
 また、マンスリーシート、ライフシートとも、ダウンロード用のリンクが本書中に掲載されています。つまり本書とネット接続されたパソコンがあれば、すぐに100年日記がはじめられるのです。

 前述のように、文具を活用してある目的を達成する本は、名前こそまだないものの一つのジャンルとして確立している感があります。そして本書はその中でも、定番的な存在になる予感が行間からひしひしと感じ取れる、そんな本です。また、既存の同じジャンルの本にインスパイアされただけでなく、独自のノウハウに昇華されている点もすばらしいと思います。

 現に発売直後からAmazonの順位もかなり高い位置にあったはずです。
 文具をただ使うのではなく、その結果として自らを理想に近づけたい。そんな人には是非とも読んでいただきたい一冊です。
 僕ももっと何回も読んで、エッセンスをくみ取り、理解したいと思っています。

 コボリさんほどシステマチックではありませんが、私自身も健康に関する専用の手帳を用意して、食べたものやその反応、体調の変化などを記録しています。問題点が見つかればそれを書いて、その後の生活に注意点としてフィードバックすることで、確実に意識は変わり、行動も変わるようになりました。 


 ↑手帳の達人の一人としてコボリさんにも登場していただいた拙著です。

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