リアルな“物”に記録するということ。「読書記録しおりワタシ文庫」 #bungu
それが個人的なライフログでも映画の感想などでもいいのだけれど、個人的な事柄の記録は、アナログなメディア、質量を持つリアルな物体と相性がいい。
それは、手帳やノートであり、情報カードなどだろう。手触りや質感などが重要な意味を持ち、物自体として存在し残しておく。つまり記録する=そのツールに意味を与え、自分が生きている文脈に所属させるという極私的な行為になるわけだ。
その極北とも言うべきなのが、この「読書記録しおりワタシ文庫」だろう。
学校の図書室の蔵書に使われていた貸し出しカードのようなデザインと風合いは、記録ツールとしては、これ以上はない個性だ(図書館の貸し出しカードは、かつて大量かつ全国的に使われていたわけだ。それが記録用ツールのデザインに引用されたとたんに個性的に見えるのも面白い現象だが)。
もっとも公共の図書館においては、この手のカードは廃止されてしまい、バーコードリーダーとバーコードで貸し出しを管理しているわけで(詳しくはわからないが学校もそうなのではないか)、その意味ではこれはレトロなアイテムだ。追想といってもいい。
そしてこの種のアイテムを懐かしがる層が30代以上であると想定すれば、このワタシ文庫に感想が記録される本は、世界の名作でも、ジュブナイルでも、はたまた子供向けに翻案された名探偵ホームズでもないことは、間違いない。
ともあれ、こと、本の記録という行為にこれほど似つかわしい外観を持ったアイテムもないだろう。文具店で見かけたら一度手に取ってみてほしい。
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