スライド手帳HIRATAINDER システム手帳バインダーのイノベーション #bungu #techo #手帳
システム手帳が'80年代にブームだったことは、拙著『システム手帳新入門!』(岩波書店)でも触れた。そして手帳が今日のようなブームになることはあっても、システム手帳自体が再び注目を集めることはなかなかなかった。
数少ない例としては『一冊の手帳で夢は必ずかなう』(熊谷正寿 かんき出版)だろう。同書中に登場したファイロファクスのバインダーは、銀座伊東屋で指名買いされるほどの人気になったという。ただしこれは成功手帳的活用法であり、言わばソフトウェア提案だった。
システム手帳のハードウェア的構造が見直されるようなことはほとんどなかった。
そこに一石を投じたのが文具王手帳だろう。『文具を読む・文具本を読む 新興ブランド篇』でも触れたが、文具王手帳には従来のシステム手帳バインダーにはなかったような工夫がいろいろと盛り込まれている。
そして、スライド手帳HIRATAINDERもまた、ハードウェア部分の構造を見直したシステム手帳バインダーだ。最大の特徴は、机においたときに平たくなり、リフィルに記入するにも違和感が少ないことだ。
システム手帳には、どうしても分厚い印象がある。それはブーム当初のバイブルサイズがそういう風に使われ、ビジュアルとしてもそのようなものが多用されたからだろう。確かにその時代には分厚いシステム手帳はかっこよかったのだ。
HIRATAINDERは、この“分厚いシステム手帳”という通念に挑戦したバインダーだ。厚くなりがちなバインダーを構造から見直して薄さを実現している。
まず一般的なバインダーによくあるポケットやペンホルダーがない。よくあるバインダーのようにその部分がお仕着せになっていないのだ。
机においたときの書きやすさに貢献しているのは、リング取り付け部と表紙/裏表紙部分が別の革になっていてこれを貼り合わせていることだ。
今までのシステム手帳バインダーでは表紙部分とリング取り付け部が一体となっていた。一体化していたというよりは、大きな革をそのままバインダーとして加工していたといった方がいいだろう。革に限らず合皮でもあるいはナイロン素材のものでもたいていはそういう構造になっていた。
ところがスライド手帳HIRATAINDERでは、金具取り付け部と表紙/裏表紙の革が別々のパーツでできている。これを縫い合わせてバインダーとすることで、開いたときにバインダーの背面部が机にぴったりくっつくようになっている。
実はこれは画期的なことだ。というのも前述のようにシステム手帳のバインダーでは、リング取り付け部と表紙/裏表紙が一体になっているのが普通だ。そしてそれゆえに、机に開いておいたときに、微妙に浮き上がってしまう。そしてそのためにリフィルに記入するときに不安定感を感じるのだ。
スライド手帳HIRATAINDERは、バインダーそのものの構造を見直すことで、この不安定感の払拭を実現している。
もともと発売元の(株)あたぼうは、「スライド手帳」というリフィルから手帳市場に参入している。そしてこのバインダーはスライド手帳ユーザーのみならず、広くA5システム手帳リフィルを使っている人にも福音となるものだと言える。
A5システム手帳を使っている人、また導入を検討している人は、一度はスライド手帳HIRATAINDERを見てみる価値はあると思う。
スライド手帳 HIRATAINDER
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