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2011/12/31

『手帳カスタマイズ術』刊行記念セミナーの内容を簡単に再録しておきます #techo #bungu #手帳

 12/18にダイヤモンド社で行われた『手帳カスタマイズ術』刊行記念セミナーの内容を簡単に再録しておきます。テーマは“なぜ今手帳なのか”です。

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手帳概論:いま、なぜ手帳なのか?

 手帳の機能が変化し、新しい機能が発明・発見された。それらの機能:ソフトウェアを展開するハードウェアとして手帳が活用されるようになってきた。
 昔の年玉手帳(会社がその従業員や取引先に配る手帳)は予定欄+便覧+アドレス帳+メモページで構成されていた。この便覧部分に社歌・社訓、製品一覧などが入っていた。
 そしてスケジュール管理は手帳の専売特許ではなくなった
 Googleカレンダーの出現、スマートフォンの普及(この背景にあるのはPCとインターネットの普及とブロードバンド接続の一般化。ブロードバンド接続という単語すらも懐かしい感じがするが)。
 スケジュール管理ツールが身近になり普及した→時間管理を意識する頻度が高まった。Google自体がどう考えているかわからないが、Googleカレンダーは共有機能や公開機能など企業用グループウェアとよく似ている。
 ただしそれが個人用スマートフォンと連携することで、時間管理ツールとして認識される機会は増えた。

○従来からの手帳の役割
 手帳の5大機能:スケジュール、ToDo管理、メモ、アドレス帳、便覧
 これらが少しずつデジタルにシフトしてきている。
 便覧はスマホやケータイで検索できるようになっている。アドレス帳もしかり、ケータイ、スマホのアドレス帳やクラウド上のデータになっている。または年賀状ソフトやエクセルの住所録データになっている。パソコンの場合はクラウドではなくローカルだが。
 メモはちょうどその端境にある。スマホにはメモ機能が標準である。またポメラのようなメモ専用デジタルツールが出てきている。
 ☆余談:
 ポメラに関しては、NECのライフタッチノートが登場した時点で、「ポメラはクラウド連携が弱いから役目を終えた」とおもっていた。ただ実際に、ライフタッチノートを購入してみると、ポメラのネットにつながらないことのメリット(つながっているデメリット)や、ライフタッチノートの単機能でないことのデメリット(多機能であること)をより感じるようになった。ポメラはつながらないことでもっともアナログに近いデジタル化もしれない。
 ☆もうひとつ余談
 我々は多機能の機械にならされ、マルチタスクを半ば強制されているのかもしれない。複数のアプリケーションに同時に反応するように、神経や身体が無意識・無自覚に調教されつつある。それはPC、常時接続のネット環境、タブブラウザなどによってもたらされた状況である。

 そして、手帳はネット接続されていないことで、書くことに集中できる。ただし後述するように、使い方≒アプリは想像以上に広がっており多機能になっている。

○発明・発見された新しい機能
 五大機能に加えて、計画立案、将来の展望、欲しいもののリスト、日記、ライフログetcが出てきた。
 たとえば計画立案という意味では、yPadみたいなものが出てきている。これもPCのガントチャートを紙に展開したと言えるかもしれないが、紙ならではの便利さ、たとえば、資料を挟んだり、他色ペンを使ったりできる。
 将来の展望や夢の実現プランなどもそう。
 これらはもともとそれこそ“夢”だと思われていた。だが、目標を記入して見える化・意識化することの効能はここにいらっしゃるみなさんが経験されているとおり。
 欲しいもののリストや行きたいところのリストなど、そういう記入欄がある手帳も登場している。これも最近の傾向である。少なくとも年玉手帳の時代には考えられなかったことです。
 さらに、クレド(信条を記入して持ち歩きたまに参照するカード)とか日記、モーニングペーパー、ライフログなど、新旧の新しい機能が紹介・発見されている。
 そもそも手帳やノートは、ソフトウェアの定義されていないハードウェアと言える。

○手帳は文具ブームとビジネス書・自己啓発書ブームの肥沃な三角州である
 ビジネス書によって手帳や文具の新しい機能や活用提案がなされている。手帳も種類が増えている。
 つまり、手帳は、文具ブームとビジネス書・自己啓発書ブームの間に生まれた肥沃な三角州である。
 かつてブームだったのが、私が言うところの“神社系手帳”である。
 神社には、実在の人物をまつったものがある。その一つのタイプが武勲を上げた人物をまつったもの。徳川家康の日光東照宮、源頼朝の鶴岡八幡宮などがそれ。
 そしてこれと同じように、ビジネス上で成果を上げた、または知名度の高い人物の名を冠した手帳がある。それが神社系手帳である。かつてはそれを使えば、○○社長のようになるという触れ込みでブームになった。ただ、それらの乱立する事実が、それらひとつ一つには決定的な普遍性がないことを証明してしまっている。
 手帳にはどんな機能(アプリ)もインストールできる。なにをどうインストールし、活用するかは、使う人一人一人が自由に決めていい。そして、どんな機能が欲しいのかは、その人しか知らない。万人向けの手帳というのは存在しない。
 手帳は、いわばソフトウェアの決まっていないハードウェアである。好きな機能をインストールできるはずである。
 1862年、欧州使節団の一人としてヨーロッパに渡った福沢諭吉はパリから手帳を持ち帰った。そして2012年は日本に手帳が上陸して150年目にあたる。
 この節目の年を前にして、手帳は共同体の成員のものでもなければ、あやかり文化のものでもなくなりつつある。自分で定義して使うものにようやくなりつつあるのである。
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 このセミナー開催にあたってはどういうテーマで話そうか、かなり迷いました。というのはセミナーになじむような内容の話は、同書中の序章にあります。そして、その内容のほとんどは、ダイヤモンドオンラインですでに公にされていました。そしてその記事は、このセミナーの告知ページを兼ねていたからです。つまり、セミナーに来る人のほとんどは、おそらく序章の内容をあらかじめ知っていることが想像できました。

 さてでは、本文中の説明をすればいいのかと言えばそうでもありません。本文にあるのは、“手帳はこうやったらカスタマイズできます。その効能はこれです”というような、ひたすらテクニカルな説明です。いわばExcelの解説書中における関数の設定方法みたいなものあり、セミナーというスタイルにはなじまないものだったからです。

 そこで、このテーマにしたのですが、結果としては多くの方に興味深く聞いていただけたようです。こういう内容のことは、部分的には既刊の『手帳進化論』(PHP研究所)には、記しましたが、まとめて話すことはありませんでした。

 今後の著書にはまとめて記すことがあるかもしれません。

 当日来てくださった方には、面白く聞いていただけたようです。また、何ページにもわたってメモをとってくださった方もいらっしゃいました。これもまた著者冥利に尽きることでした。ありがとうございました。


 

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