攻めの読書スタイルを作り上げる必須の一冊『本300%活用術』
ビジネス書を中心として、書籍は常にビジネスマンの関心をひくアイテムである。
最近では、電子書籍やスキャナーを用いた“自炊”、オンライン書店や蔵書の管理など、本を取り巻く環境や本自体もその形を徐々に変えつつある。
本についての本は、『本を読む本』(J・モーティマー・アドラー 講談社)とか、『読書について』(ショーペンハウエル 岩波文庫)とか昔からいろいろある。そして『本300%活用術』は、本を取り巻く現在の状況を念頭においてどのようにつきあえばいいかを概観した本活用のガイドブックだ。2007年刊行の『本200%活用術』をベースに、本を取り巻く今日の状況を踏まえて編集されている。
まず、巻頭には伊藤真(「伊藤塾」塾長)氏、レバレッジ・シリーズで有名な本田直之氏といった読書の達人のインタビューがある。続く本文は以下のような構成だ。
第1部 自分スタイルの読書術を身につける
第1章 選び方
第2章 読み方
第3章 活かし方
第4章 整理の仕方
第5章 速読術を身につける
第2部 自分スタイルの読書環境を整備する
第6章 自分書斎をつくる
第7章 御用達書店をつくる
第8章 図書館を活用する
第9章 クラウド書斎を使いこなす
とまあ、こうやって紹介するととてもオーソドックスな読書術ガイドのように思えるが、その内容と切り口には飽きさせない工夫がある。
第1章の「選び方」ひとつとっても、名著から選ぶ、ブログのおすすめを選ぶ、価格で選ぶなど、いろいろな方向性での提案がある。そのひとつひとつにはきちんと説明付けがなされている。たとえば価格では、1.700円前後の新書 2.ソフトカバーの1500円前後のソフトカバー 3.2000~3000円のボリュームのある本に区分。価格と難易度には比例関係があると指摘。難易度の低い低価格の本から徐々に専門性を高めていくことを進めている。
続く第2章の「読み方」には、仮説を立てて読むことを勧める一説がある。本を読む前にどんなことが書いてあるか見当をつけておくと、中身が頭に入りやすくなるというのだ。そしてビジネスの現場では、この仮説力が交渉・打ち合わせに際して、相手の反応を予測しながら自分の発言をすることにつながり、読書はその訓練になるとしている。また計画的に読む方法として、手帳を使うやりかたも紹介されている。
そのほか書き込み方や併読の方法、特定テーマを読み込む方法なども紹介されている。
とまあ紹介していけばきりがないほど内容は盛りだくさんだ。
速読術や電子書籍、さらに自炊の方法や具体的なやり方にも触れている。
そのほか、古書店や図書館とのつきあい方、著作権フリーのネット図書館、KindleやiPadなどの読書用機器、タブレット端末も紹介されている。
本を積極的に活用し、自らの血肉としたいと思っている人には、一読の価値がある。本書はそんな本についての本である。
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