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2009/08/19

ほぼ日手帳の色バリは手帳が私的なツールになったことを象徴している

 '10年版の手帳情報がそろそろ手元に届いてきている。中でもほぼ日手帳は、YouTube上でバリエーションを発表している。ほぼ日手帳は、登場当初からカバーの色バリエーションが豊富なことで知られているが、今回は他の手帳を圧倒するような数のカバーの数が発表されている。

 そしてこれは、手帳が私生活のコモディティになったことを象徴しているように思う。

 そもそも日本における手帳とは、本来は会社から支給される年玉手帳だった。それは黒い表紙に金箔の社名入りの地味なもので、スケジュール記入欄とメモ欄、住所録が含まれたものだったわけだ。それがカジュアル化したきっかけは、システム手帳だったのは間違いないだろう。

 綴じ手帳でも、カジュアルでカラフルな市販のものは、女性向け、学生向けの手帳としてはそれまでもあったし、とくだん珍しいことではないかもしれない。それでもほぼ日手帳の52種類(普通サイズ、カズン あわせて)というのは、2サイズで展開している手帳としてはかなり異例のことだと言える。サイズは2種類で中身も基本は同じだからと言っても、色も素材もデザインも違うものをこれだけの数そろえるのは大変なのではないか。
 赤や青、緑といった原色系からはじまり、ツートンや市松模様など、素材も色も違うものがこれだけそろっているのは圧巻である。

 で、表題の本題に戻ると、こういう手帳のカラフル化カジュアル化が象徴しているのは、手帳が、年玉手帳の時代のビジネス管理ツールから、私生活を記録し充実させるための極私的なツールという性格を徐々に強めていっていることだ。その極北がほぼ日手帳の存在なのだろう。
 もちろん、商品のバリエーションとして色バリエーションを増やすのはマーケティングの常道なわけだが、それにしても52種あると圧巻だ。

 もともと黒かったけれどカラフルなものが増えていった先行例としては携帯電話がある。あれは携帯できる黒電話(原則レンタル)から、購入するものになり機能が増えて今の形になった。でも色展開はせいぜい1機種5色程度。ジャケットを付ければ別だけれどメーカーが純正で用意できるのは高機能なIT機器であることを考えればそれぐらいが限界なのだろう。

補記:定番3色のノリは、まるで戦隊ものですね。

私信:東京糸井重里事務所の冨田さん、いつもお世話になっております。動画の中ではじめてご尊顔を拝しました(お名前出ていたのでわかりました)。今後ともよろしくお願いします。

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