『文房具の足し算』を読む
もの、特に道具はそれが使われる文脈の中において語られることで、ものとしての魅力や使い勝手が読み手に実感されます。
和田哲哉氏の新刊『文房具の足し算』は、その意味では読者に文房具を使う便利さやおもしろさがよく伝わってくる本だと思います。
本書のキーコンセプトである“足し算”とは組み合わせのこと。そのパターンは、a.文房具どうし b.文房具とその他のツール c.文房具とシチュエーションまたは概念 の3つです。
見開きの左ページに本文、右ページに写真を配し、組み合わせの妙を見開きで語る構成の本書は、著者の和田氏によれば初心者向けに書かれたのだそうです。確かにその説明の一つ一つはわかりやすいものですが、端々に和田氏ならではの深い知識に裏打ちされた使いこなしが見えてきます。
たとえば、a.の一例「透明な定規と不透明な定規」。これは双方に存在理由がはっきりあるんですね。読んで見てそれぞれの役割に合点がいきました。また、「万年筆+インク消しペン」のページで紹介されるインク消しペンなどのまだ知られていないアイテムの紹介もあります。b.のパターン「ケータイ+透明ふせん」も素材を生かした使い方の提案です。
さらに、c.の一例「リビング+家族カレンダー」になると、既存の道具の新たな活用の方法の解説になっています。それは、単にフェティッシュな説明ではなく、いわば道具の血の通った使い方なのだと言えます。
何回読んでも新たな発見があります。是非みなさまもどうぞ。
また、和田様、関係者のみなさまありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
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