そして手帳が残った・・・
この数年のブームに限ったことではないけれど、手帳を代替し、いずれは駆逐するものと、90年代初頭ぐらいに思われて登場してきたPDAは、今ではその後継的な存在としてスマートフォンという形で存続していると考えることもできるが、手帳自体は結局なくなるどころか、一億数千万人の人口の日本で、年間8000万冊から一億冊程度の市場を持つ商品になって今日に至る。
PDAが年間これと同じ程度の市場規模になったことはない。もっとも、携帯電話はこの数に肉薄しており、また、携帯電話に使われている技術の多くはPDA発のものだと考えれば、見方を変えなければならないのかもしれないのだが。
ともあれ、手帳はPDAよりも安価ではあり、1年程度で買い換えるものであり、その機能も単純なものでありながら、PDAとは比較にならない歴史と普及率と市場規模を持っている。また、バリエーションにおいても手帳とは比較にならないほど多彩だ。まあこの辺もPDAやスマートフォンが最先端技術で作られており、メーカーの数も手帳メーカーのそれと比較してかなり少ないことを考えれば、比較自体が残酷だともいえるが。
ともあれ、PDAに数々の留保はついても、手帳の、物自体としての市場規模や息の長さをどう捕らえるかは、もう少しじっくり考えたいと思っている。
| 固定リンク
「手帳」カテゴリの記事
- Yahoo動画フォローキャンペーンを明日(’19年8月5日)から開始します!(2019.08.04)
- 5/31 19:00~ 八重洲ブックセンターで『手帳と日本人』(NHK出版)刊行記念ライブトークやります(2019.05.08)
- 桑田佳祐は、なぜ「今何時?」と問うのか? 『手帳と日本人』(NHK出版新書)好評をいただいております(2019.01.16)
- Yahoo!JapanCREATERSプログラムで文具・手帳・ガジェットやそのイベントを紹介していきます。(2018.12.08)
- 『手帳と日本人』12月11日発売です(2018.12.08)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント