意味ある遍歴、無意味な遍歴
“手帳に関する工夫に時間をかけすぎるべきではない”旨のことを「手帳進化論」に書いた。この件については、 Blogで共感を表明してくださっている方も少なくないこともわかった。
そこで今回はこの件をもういちど見直してみたい。とくに手帳の遍歴や工夫についてだ。手帳を、 アレでもないこれでもないと短期間に数種類使ってみたり、ふせんとかマルチペンをとっかえひっかえすることは、 どれだけ意味があるのだろうか。あるいは意味がないのだろうか?
結論から言うと、なんでもそうだが、その工夫が、ある目的を達成するためのものならば意味があると思う。逆に、 単に工夫のための工夫ならあまり意味はないかもしれない。もっとも後者の場合でも、 たまたまやった工夫によってそれまで持っていた不満が明確になり、しかもそれが解消されるケースも皆無ではないだろうが。
具体例を挙げておく。ふだん使っているペンが何となくしっくりこなかったとしよう。それが太さだったら、より細く、 かつ握りやすいものを探すことになる。インクのノリだったら、互換性のあるリフィルを探して交換するか、 それがなければペンごと交換することになる。要はこの“なんとなくしっくりこない”の正体が何であるかを突き止めることが肝要なのだと思う。 “なんとなく”を“なんとなく”のままでどうにかしようとしても、どうにもならないし迷走するばかりではないか。
手帳とかペンを自分の使いやすいように工夫するのは、まあ目先手先のことだ。でもこの目先手先を使いやすくするのは、 他のいろいろなことの小さなシミュレーションのような気がしなくもないのだ。
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コメント
JINさん、コメントありがとうございます。
2回の手帳オフを開いてわかったのですが、やはり手帳に関する工夫は、なにがしか仕事の能率化とか、メモのよりよい活用、保存などの実利的なことがらを目的としている人が少なくないのではないかと。
もちろん、趣味でもいいんですけどね。
コメントありがとうございました。
投稿: 舘神 | 2008/04/09 19:58
hikawaさん、コメントありがとうございます。
>おそらくfilofaxに関しては国内でも屈指のコレクターに僕は入ると思うし、リフィルデザインに関しては印刷所では出来ない精度のものを自作して信頼文具さんで販売もしてもらっていたこともあります。
これ、両方ともいつか拝見したいですね。可能ならばですが。
>仕事の出来る人間がかならずしも手帳を常用しているわけでないし、手帳が好きでも仕事が出来ない人間もいる。
これはまったく同感ですね。別に手帳を使っている=仕事が出来るわけではないとは思います。ただ、仕事を円滑に進めようと考えている人がそのための補助道具として手帳を活用しようと考え、日々工夫しているとは思うんです。私も含めて。
そういう人たちにとって、手帳における工夫とはなにかを考えてみたのが今回のエントリーだったわけです。
もちろん純粋に趣味でもいいし、趣味でいけないわけではありません。ただ、仕事の円滑化のためとしてやっていることがいつのまにか、それ自体を目的とするのはどうなんだろうとは考えております。趣味であることを自覚して時間や手間をかけているケースとはそれは区別されるべきだと考えています。
コメントありがとうございました。
投稿: 舘神 | 2008/04/09 09:19
>hikawaさん
同感です。こんな面倒くさいこと、趣味じゃなければできません。
投稿: JIN | 2008/04/05 06:33
おそらくfilofaxに関しては国内でも屈指のコレクターに僕は入ると思うし、リフィルデザインに関しては印刷所では出来ない精度のものを自作して信頼文具さんで販売もしてもらっていたこともあります。
でも、それで何を得たかというと、なにもないんですよね。ただ、自分が楽しいのと同好の友人たちが喜ぶ。
仕事を超えた趣味の領域で楽しむというによって、手帳や文具って僕の生活を豊かにしてくれたとおもうんですよね。
仕事の出来る人間がかならずしも手帳を常用しているわけでないし、手帳が好きでも仕事が出来ない人間もいる。
車とかと同じように趣味でいいんじゃないですかね。
投稿: hikawa | 2008/04/03 16:42