手帳は時間軸を模倣する
このところ、PDAと手帳の決定的な違いはなにかを考えていた。
そして気がついたのが表題の点だ。
システム手帳(と綴じ手帳)は、ページをめくることができる。現在、文具店の店頭で入手できる製品の大半は、表紙の左側が綴じてあり、左側に向かってページをめくる構造になっている。
これは、時間の流れの物理的な構造による再現である。前のページは過去であり、後ろのページは未来というわけだ。ページをめくることで、現在とその前後を俯瞰できる。これは、スケジュール記入用リフィルにかぎらない。メモ用のリフィルでもこの順番を意識して使うことができる。
手帳は時間軸を模倣しているのだ。
これは、PDAにはない特徴だ。
PDAは、めくる操作ができない。PDA内蔵のPIMでは、めくられるのではなく画面が時系列で表示切り替えされるが、手帳のページを指先でめくるような自在な感覚はない。それは、ファイルの表示でもそうだ。もちろん表示させるファイルを切り替えることはできるが、ファイルの順番はいかようにも変更できる。換言すれば、変更不可能な絶対的な順序は存在しない。
PDAではないが、かつてパソコン用のPIMソフトの「ロータス・オーガナイザー」は、手帳のような画面デザインだった。ページをめくるようなユーザーインターフェースが特徴的だったが、あれは時間軸の模倣と言うよりは、“手帳の模倣”というレベルにとどまっていた。しかも当然のことながら操作はマウスやキーボードを介してするわけで、指を使って直接ページをめくる手帳そのものを再現するには至らなかったわけだ。
ついでにいえば、超整理手帳もめくることはできない。長い期間をいっぺんに俯瞰することを目的に開発されているため、一定期間が一枚の紙に収まっている。それはメリットではあろうが、めくるという手帳の最大の特徴がなくなっているのは、筆者には使いにくく、それゆえ使う気にはならなかった。また、『システム手帳新入門!』にも書いたように、複数項目のメモを同時に保持する機能がない。その点で、システム手帳は、超整理手帳よりも構造的に優れている。
まあ、それだけといえばそれだけなのだが、綴じ手帳やシステム手帳がよいと感じる人が多いのは、意外とこの辺に理由があるのかもしれない。
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コメント
narkeipさん、コメントありがとうございます。
URLのページを拝見しました。
過去の手帳がきちんと並んでいるのは壮観ですね。
システム手帳をまた使い始めたら
教えてくださいね。
ではまた。
投稿: 舘神 | 2005/04/12 14:52
手帳のこと、興味深く拝見しています。私も高校時代の担任の先生の影響で手帳に興味を持つようになり、バイブルサイズのシステム手帳にもずいぶんお世話になっています。高校卒業以来、今まで使った手帳を、並べて写真にしたことがあります。このページです。
http://www.yamagata-net.jp/gbh00577/tips/page/computing-728.html
今は、両手をあけておく必要があって、ポケット型の手帳を使っていますが、時期を見てまたシステム手帳に戻りたいと思っています。
投稿: narkejp | 2005/04/09 13:35